「失明が先か?寿命が先か?」の考え方
緑内障と診断されると、ほとんどの患者さんが「失明」という恐怖を抱くようです。たしかに、緑内障が最後まですすむと失明することは事実ですが、多くの患者さんは失明する前に寿命が訪れますので、まったく見えなくなってしまう方は、全体の中ではごく一部です。
急にまったく見えなくなることはほとんどなく、多くの場合は、長い歳月を経て徐々になんとなく見づらくなっていきます。失明すると予測される年齢が100歳であったり、120歳であったりする場合は、失明よりも寿命が先に訪れると考えるでしょう。このような状況にある患者さんが、必要以上に不安感をもつことは精神衛生上もよくありません。
たしかに平均寿命まで生きていられた場合に、どのくらいの見え方になっているのかを正確に予測することは難しいです。しかし、少なくとも何歳くらいまではある程度見えているであろう、ということがわかれば、それだけでも安心するという患者さんが多いようですので、担当医師にたずねてみるのもよいでしょう。ただし、あくまでも推測ですので、医師によって意見がちがうこともあるかもしれません。おおまかな推測でよいと考えましょう。ちなみに、治療期間が長くなれば長くなるほどその患者さんの緑内障のすすむスピードを予測しやすくなります。