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◆白内障◆ |
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昔、白内障の手術といえば、目がほとんど見えなくなってから手術をしました。
手術は1時間ほどかかり、目には大きな切開を入れる必要があり、手術後は絶対安静が必要でした。1週間程度の入院も必要でした。
しかし、現在は手術法が改良されたため、手術時間は大きく短縮され、5〜9分程度で終わるようになりました。切開はとても短くなり、糸で縫う必要がなくなりました。痛い麻酔の注射もなくなり、麻酔の目薬だけでも手術をすることができます。手術は痛くありません。
手術の安全性が高まり、日帰り手術が可能となりました。
手術後は少し休憩をしてから帰宅します。
眼帯は手術当日から翌日の診察までつけますが、その後ははずすことができます。
手術後の生活指導につきましては個別指導があります。
詳しくは、上段の「白内障」を参照して下さい。
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◆緑内障◆ |
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緑内障の手術にはいくつかの種類があります。
どの手術をするかによって、手術時間、手術後の目の状態、手術後の生活制限や注意点がちがいます。個別指導がありますので、十分な説明を受け、よくご理解していただいた上で手術を受けていただきます。
詳しくは、上段の「緑内障」を参照して下さい。
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◆眼瞼内反(さかさまつげ)◆ |
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まぶたが内側にめくれるためにさかさまつげになっているものです。
まつげの生え方には問題がないので、まぶたを再び外側に向かせる手術をします。
手術にはいくつかの種類があります。
抜糸をするまでの1週間は、まぶたをぬらしたりこすったりしないで下さい。
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◆睫毛内反(さかさまつげ)◆ |
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まぶたの脂肪が多い若年者で、睫毛が生まれつき内側に向いて眼球に触れることがあります。
異物感、かゆみ、まぶしがる、涙目などの症状だけでなく、角膜に常に浅いキズがつきますので、弱視や視力障害の原因となることもあります。
3歳までは自然に治ってくる場合もありますので、症状の軽い場合はそのまま経過観察をします。
弱視の危険性があったり、視力障害の原因となっている可能性がある場合は手術をします。
3歳以上の場合は、症状に応じて手術を決めます。
症状が強くなければ、局所麻酔で手術のできる年齢まで待ちます。
手術法は、まぶたに糸を1〜3本程度通しておき、1週間後に抜糸します。
皮膚切開はしません。
手術時間は5〜10分です。
手術後の生活制限は特にありませんが、糸がとれるまでの1週間は、糸につけてあるビーズと糸が目立ちます。
瘢痕の作用によってまぶたを外側に向かせさかさまつげを治します。
手術後半年くらいで戻り現象を生ずることがあるので、手術は少し効果が大きくなるようにします。
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◆睫毛乱生(さかさまつげ)◆ |
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全部ではなく、一部のまつげだけが内側つまり眼球側に向かって不規則に生え、眼球に触れる状態のことを睫毛乱生と呼びます。
生えている場所が異常なこともあれば、生えている場所は正常なのに生えている方向が異常の場合もあります。
まぶた自体は正常なので、この場合は異常な睫毛のみを脱毛します。
毛根を電気分解して消滅させます。
所要時間は、まつげの本数によって違いますが、数分〜十数分程度です。
手術後は軽いやけどの状態になりますので、少しひりひりします。
また、1週間くらいはその部分をぬらしたり、こすったりしないで下さい。
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◆翼状片◆ |
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黒目(角膜)の横から翼状に白い組織が中央に向かってのびてくることがあります。
これを翼状片と呼びます。
大きくなると、光をさえぎるので視力障害の原因となります。
また見た目にも目立ちますので気になってきます。
中央にまでのびていなくても、角膜にゆがみを作って視力低下を起こすことがあります。
手術自体は難しくはありませんが、再発しやすい病気です。
再発してしまうと再手術が必要ですが、再手術を繰り返すたびに手術が難しくなってきます。
そのため、翼状片が小さいうちは手術を急ぎません。
ある程度の大きさになり、明らかな進行性が認められれば手術をする必要があります。
手術時間は15〜20分程度です。
手術当日と翌日は、目の痛みを感じることがありますので、鎮痛剤を飲むこともあります。
2〜3日もすれば痛みやごろごろ感も減少してきます。
手術後1週間程度は、目の中に水が入らないように注意して下さい。
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◆帯状角膜症◆ |
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角膜の中央が帯状に白く濁る病気です。
角膜の比較的表面に近いところにカルシウムが沈着します。
塩酸で溶かすことにより濁りを取り除くことができます。
角膜の深いところが濁っていたり、カルシウム以外の濁りが染みついている時には、濁りが完全にはなくなりませんが、簡便で安全な方法ですので試してみる価値は十分にあります。
手術時間は5〜10分程度です。手術当日と翌日は、目の痛みを感じることがありますので、鎮痛剤を飲むこともあります。
2〜3日もすれば痛みやごろごろ感も減少してきます。
手術後1週間程度は、目の中に水が入らないように注意して下さい。
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◆ドライアイ◆ |
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点眼薬による治療が一般的ですが、点眼治療でも症状がなかなかよくならない場合には、涙の流れ出ていく下水管に相当する部分にプラグというフタをはめることがあります。
下水管にフタをはめると涙が流れ出ていかなくなり、涙があふれるようになります。
するとドライアイによる角膜障害が減り、痛みや違和感が治ります。手術といっても、プラグを下水管の穴に差し込むだけですので非常に簡便かつ安全です。
所要時間は2〜3分程度です。プラグを一旦入れて調子がよければそのままとしてもよいですし、問題があれば再びプラグを抜き取ることも簡単ですので、気軽に行うことができます。
手術後の生活制限は特にありません。
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◆結膜弛緩◆ |
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球結膜(白目の表面の膜)が加齢とともに伸びてくると、たるんでくることがあります。
たるみが多いと、下まぶたと黒目の間にはみ出してきます。
すると涙の通り道がふさがれて通りにくくなり、涙目になりやすくなったり、余った膜がごみのようにゴロゴロと感じることがあります。
これを治すためには、余った膜を切除することが必要です。
手術は15〜20分程度です。
手術は痛くありませんが、縫合糸がしばらく目の中に残りますので、2週間ほどは異物感を感じます。
その糸が全部とれてしまえば快適な状態となります。
術後2週間程度は、目の中に水が入らないように、また目をこすらないように注意して下さい。
手術後は白目が赤くなりますので、手術後に写真撮影などがある場合は、手術日を延期して下さい。
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◆霰粒腫◆ |
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まぶたの中に脂肪や油がたまって炎症を起こし、しこりとして感じるものです。
異物感があったり、見た目が目立ったり、ときどき赤く腫れたりということであれば手術で取り除いてしまうこともあります。
局所麻酔の注射をまぶたにして、まぶたの裏側から切開します。
皮膚は切開しませんので傷跡は残りません。手術そのものは痛くありません。
手術時間は5分程度です。
手術後はまぶたに内出血のあおあざができることがありますが、1週間ほどで治ります。
手術後に写真撮影などがある場合は、手術日を延期して下さい。
もともと霰粒腫になりやすい体質の方は、手術後も再発したり、他の場所に発症することがあります。
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◆麦粒腫(ものもらい)◆ |
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まぶたの中に細菌が入って炎症を起こして腫れるものです。
薬で治ることがほとんどですが、膿(うみ)が大量にたまってしまった場合や、しこりが残ってしまった場合には手術をすることもあります。
局所麻酔の注射をまぶたにして、まぶたの裏側から切開します。
皮膚は切開しませんので傷跡は残りません。手術そのものは痛くありません。
手術時間は5分程度です。
手術後はまぶたに内出血のあおあざができることがありますが、1週間ほどで治ります 。
手術後に写真撮影などがある場合は、手術日を延期して下さい。
もともと麦粒腫(ものもらい)になりやすい体質の方は、手術後も再発したり、他の場所に発症することがあります。
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