検査内容
緑内障に関する検査にはさまざまなものがありますが、以下は代表的な検査です。
視力測定
眼科の基本検査です。ピントを合わせた状態で視力測定をします。視力がよいから緑内障ではないということはありません。緑内障になってもすぐに視力が下がらないことがほとんどです。緑内障がすすむと視力が下がることがあります。めぐすりの副作用により一時的に視力低下を起こすこともありますので定期的に検査が必要です。
眼圧測定
目に接触するタイプの器械で眼圧を測ります。麻酔の目薬を使いますので痛くありません。目に接触せず空気がでてくる器械での測定はスクリーニングとしては可能ですが、緑内障の精密検査としては不正確なため不適切です。
細隙灯顕微鏡検査
顕微鏡により目の表面から内部を微細に観察します。
隅角検査
目の中の水が排出される下水管を観察します。検査レンズを目に直接接触させて観察します。緑内障にはさまざまな種類があり、この検査は診断には必須です。
眼底検査
緑内障の病変の場所である、目と神経(電線)のつなぎ目(視神経乳頭)を観察します。診断にはもっとも重要です。他に網膜の観察も重要です。
視野検査
大きく分けて2種類あります。中心30度以内を細かく測定するコンピューターによる検査と、見えるすべての範囲の検査員の手動による検査とがあります。それぞれ特徴がありますので臨機応変に検査をします。
角膜(黒目)の厚みの測定
黒目の厚みには個人差があります。厚くても薄くても良い悪いということはありませんが、厚みによっては眼圧測定値に誤差がでます。厚いと眼圧が高く測定されます。薄いと眼圧が低く測定されます。誤差が生じる場合は決められた補正を行います。
眼底写真撮影
定期的に記録を残すことにより視神経だけでなく網膜の変化の経過を追うことができます。
目と神経(電線)のつなぎ目の立体写真撮影
視神経乳頭と呼ばれる部分です。まさにこの部分が異常となるのが緑内障ですので観察だけではなく、経過をみるためには写真撮影が大切です。普通の写真では平面的にしか記録ができませんので、凹凸までもが記録できる立体撮影という方法で記録します。最近では眼底三次元解析装置の性能が格段に上がってきたため立体写真撮影が必要となることは少なくなりました。
眼底三次元画像解析
これまでの眼底検査では行えなかった網膜の断層面の観察や立体構造の数値的解析を行なうことができます。 緑内障の早期診断や視野悪化パターンの予測、緑内障の経過観察に役立ちます。
超音波画像診断
眼球の断面を撮影してさまざまな場所の形をとらえて緑内障の診断、解析に役立てます。特殊な症例に使用します。
脳神経系の精密検査
視野が異常となる病気は緑内障だけではありません。時には脳、眼球の奥や副鼻腔などに病気があるということもあります。そのような病気が否定できない時は脳神経科で精密検査が必要となります。