失明する?
緑内障と診断されたり、疑いをかけられたりすると「緑内障になると失明する」と考えてしまう方が多いのですが、これは誤りです。「緑内障になると失明することもある」が正しいのです。例えば「肺炎になると死亡する」とはあまり思わないでしょう。「肺炎になると死亡することもある」くらいに考えるでしょう。それと同じです。緑内障の発見が遅れたり、緑内障が治療の難しいタイプであったりと、一部の不運な患者さんが失明してしまうこともありますが、患者さん全体の中では一部です。
国や医療従事者側としては、失明に至ることもある病気なので早期発見をしたい。そのために啓蒙活動が行われています。「緑内障になると失明するから早く眼科で健診を受けて下さい」というような啓蒙活動です。啓蒙活動が盛んになっていることはとてもよいことですが、「緑内障=失明」というイメージが独り歩きをしていることが多いようです。ひとたび自分が緑内障と診断または疑いをかけられると「緑内障になると失明する」という言葉で頭が一杯になり、夜も眠れなくなるという方が少なくありません。
医師 「緑内障です」 → 患者 「失明???」
不安 不安 不安
誤 必ず失明する
正 最悪の場合には失明することがある